PayPalが米ドルステーブルコインPYUSDを発表し、業界で議論を呼ぶ

近日、デジタル決済の巨人PayPalは正式に自社のドルステーブルコインPYUSDを発表し、ユーザーがそのプラットフォーム上で購入、販売、保有、移転の操作を行えるようにしました。この動きは、同社が少なくとも2年間の検討、開発、遅延を経てようやく実現したものです。

PayPalの公式ウェブサイトによると、PYUSDはアメリカの条件を満たすアカウントに無料で送信でき、通常のUSDやクレジットカードを使用するのと同様にオンラインショッピングに利用できます。また、ユーザーはPYUSDを使用してPayPalがサポートする他の暗号通貨を購入することもできます。

しかし、この新しく導入されたステーブルコインは業界内でいくつかの疑問や議論を引き起こしています。分析者の中には、PayPalが古いバージョンのスマートコントラクトプログラミング言語Solidityを使用しているため、潜在的なセキュリティリスクをもたらす可能性があると指摘する者もいます。同時に、PYUSDの機能や使用シーンについて疑問を呈する人もいます。

注目すべきは、PYUSDはERC-20トークンとしてイーサリアムブロックチェーン上で発行されていることです。この選択は多くの関心を集めており、イーサリアムエコシステムの重要なマイルストーンであると考える人もいます。しかし、批評家の中には、イーサリアムネットワークを使用することで、特にネットワークが混雑している時期に高い取引コストが発生する可能性があると指摘する人もいます。

PYUSDの発売に関して、業界の反応は賛否が分かれています。ある人は、これはブロックチェーン技術が伝統的な金融分野に応用された重要な突破口であると称賛していますが、他の人はその実際の意味や革新性に疑問を呈しています。一部の暗号通貨愛好家は、大手テクノロジー企業のブロックチェーンへの投資に注目するよりも、ビットコインなどの分散型暗号通貨に焦点を当てるべきだと考えています。

PayPalは以前から暗号通貨の分野に参入しており、顧客がビットコイン、イーサリアムなどの暗号通貨を保有できるようにし、昨年には暗号通貨のクロスウォレット転送機能を開放しました。報道によると、今年の第一四半期の時点で、PayPalが顧客のために保管している暗号通貨の価値は10億ドルに近いとのことです。

PYUSDの導入にはいくつかの疑念がありましたが、PayPalのパートナーであるPaxosはその将来に楽観的な見方を持っています。PaxosはPYUSDがブロックチェーン上のドルの次の段階を代表していると述べ、"世界で最も安全なドル支援のデジタル資産"と表現しています。

PYUSDの正式な発表に伴い、業界はその実際の適用状況と市場の反応を注視することになるでしょう。この措置は、ステーブルコイン市場に新たな変数をもたらすことは間違いなく、従来の決済業界や暗号通貨エコシステムに深遠な影響を及ぼす可能性があります。